無敗同士の対決(6節町田広島の話)

~直近のサンフレッチェ広島

さて水曜日の町田戦について書いておく。

Jリーグ公式HPより
広島警戒100%の町田

黒田監督の試合前インタビューからも広島を警戒していたことが分かるが、試合開始直後に視覚的にその”警戒”が分かった。町田は広島のシステムに合わせて3バック(5バック)の並びを採用した。広島とのミラーゲーム(対面の相手とマンツーマンになる)に挑んだ。

これまでも神戸が普段の自分達の形を崩してまで広島対策として3バック(ミラーゲーム)を採用してきたが、確かに広島のワイドバックをを前線に上げる攻撃に対しDF4枚では守りにくそうなチームが多く、3バック(=5バック)の方が単純にDFに人数が掛けられる分守りやすいし、選手のフィジカル強度に自信のあるチームであるならマンツーマンの形が取れるミラーの方が良いとするのは理に適っている。

嵌らない町田プレス

町田は前線3枚で広島の3バックにハイプレスを仕掛ける。町田の並び的には5-2-3。後ろの「5」は、広島のワイドバックも含めた5人をマークし、真ん中の「2」は広島の中盤の2人(川村と松本)をマークする必要があった。

しかし、川村がDFからのボールを受け取りに行くときに、柴戸・仙頭は川村に思い切ってマークに行けない。試合後インタビューで仙頭が語っていた「広島の前線の選手のポジションが気になった」という部分に答えがあり、満田や加藤が柴戸・仙頭のプレーエリアに落ちてくることでマークに迷いが生じた。

中盤選手のマークの迷い、チームとしては前線からプレッシャーを掛ける認識であったのに2列目が続けないという状況に陥った。プレスの連動性が欠けたことで広島の前進は容易になったことは間違いない。★町田の守備の狙いを外した。

セカンドボールは譲れない

町田はセンターフォワードのオセフンに向けてロングボールを当てる戦略を取った。オセフンが完全にキープする場面はなかったと記憶しているが、荒木や中野と競り合った後のボールの回収に関しては広島が優勢だったように思う。

町田としては、ロングボールを蹴ってセカンドボールを回収して速い攻撃を仕掛けたい意図が見てとれたが広島のDF陣は負けなかった。町田が「そうやってくる」と分かっていたからこそ、ボールを拾うための良いポジショニングができたし、球際の勝負で譲らなかったのだろう。★町田の攻撃の狙いを外した。

最後に

広島はボール保持の際には、松本が前節見せた効果的な走りでポジションを取りに行ったり、シャドーの落ちて受ける動きと新井・東のウイングバックのパスを出すタイミングが噛み合っていたり、大橋が頂点で頑張って起点になれていたりと良い部分が多かった。川村も組み立てのパス、ドリブルでの持ち運び、そしてプレスバックと良いプレーが多くあった。そして何より中野である。ウイングバックからセンターバックへ緊急変更を完璧にこなす。次節も中野がいれば大丈夫と思わせてくれる素晴らしいパフォーマンス。そして中野がいなくなるとウイングバックは誰よ、、新井直人。あぁ強い。補強してきた強化部の良い仕事。

「町田は勝利至上主義の良いチーム」みたいな噂が最近聞こえてきていたが、何をもってそう言われていたのか謎が深まったが、とりあえずは広島の圧勝という印象。