点が取れるぞ(3節広島鳥栖の話)

「2024-03-14 POSTALCOの素敵な鞄」という投稿の後半部分に書いていたサンフレッチェ広島関連の内容を切り取り再UPしました。内容は変えてません。

~直近のサンフレッチェ広島

Jリーグ公式HPより

鳥栖戦を簡単に振り返っておく。前節と同様のスタメンと配置で臨む広島。まずは基本戦術のお馴染みハイプレスが自陣で人数を掛けて組み立てる鳥栖に有効かどうかを見ていたが効果ありと言える。

例えば15分くらいのシーン。以下図の通り、前に前にスライド。塩谷が思い切って前に詰めることでパス先を限定。そして重要なのはカバーに満田が戻っていたこと。このリスクヘッジのできるボランチ満田を擁してはやく横浜FMとの試合が見てみたい。(ウイング対策どうするか見たい!)

鳥栖に前進を許した場面もあった。例えば21分の場面。これは図なし。鳥栖の左サイドバックの丸橋が内側に入り長沼がライン際まで幅を取る。さらに逆サイドから堀米が2人のフォローに入り密集で△をつくり前進を許した。ただこの攻撃はそこまで有効ではなく、結局「(前線から中盤に加わり)人数かけて組み立てる=攻撃の人数が少なくなる」なのでDFラインが3枚+アンカー1枚が残っている広島に対して有効打ではないと思った。

 

むしろヒヤッとしたのはMヒアンがサイドをスピードでえぐってシュートまで行った場面。広島の弱点をつかれた。広島の3バックに対してスピードあるウイングが1vs1を仕掛けられると対応が難しい。この戦い方をする以上は仕方ないがやはり恐いな。

 

広島の先制点についても触れておく。前節のFC東京戦はクロス攻撃が多く、それでも去年から比べて得点の匂いがすることは前回書いたと思う。ただ今のメンバーで地上戦で崩す形も見たかったところで今節の1点目は素晴らしい地上のコンビネーションから生まれた。

まず広島のディフェンス3枚のビルドアップに対して鳥栖も3枚でプレスを仕掛けたところから始まる。鳥栖の福田は中盤からプレスを仕掛ける形となり距離のあるプレスは遅れが生じる。余裕をもって佐々木から大外の東を経由し平行位置にいる満田にパスが繋がる。

 

そこからは以下の①②③を体現した素晴らしい得点だったように思う。

◆①ディフェンスを広げる

サッカーにおいて攻撃の目的はゴールを取ること。だからディフェンスはゴール取らせないように4人なら4人が等間隔に並びゴール前を固めるのが定石。攻撃側はそのディフェンスの間を突くために4人の間隔を広げる作業をする。つまりディフェンスを外に釣り出す。

⇒加藤の大外に開く動き、加藤が再び内に動けば大外に開くピエロス。

◆②ディフェンスのマークを迷わせる。

ゾーンディフェンスが整備されていないマンツーマンのディフェンスでは、一人ひとりに当然マークする相手がいる。「あなたのマークは彼です。」という状態がずっと続くと勿論マークは簡単だ。ではオフェンス側がポジションを変えるようにローテーションした場合、ディフェンス側に少しの迷いが発生し相手へのチェックに遅れが発生する。

⇒加藤・東・ピエロスローテーションで魔法陣完成。

◆③配置の優位性を活かす。

配置的な優位性を活かすこと。5トップに対して4バックで守るとボールと逆サイドの一番外側のレーンの選手にマークが及ばない。

⇒左サイドで作って右サイドで仕留める。

 

得点を決めた塩谷はナイスシュートだったし満田の斜めに差し込んだパスもスキルフル。このガチムチ感あるメンバーでこういう事ができるんだなと感心してしまった。ラインブレイクした訳ではないが意図ある崩しで得点が奪えた。やはり今年は強いんじゃないか🐻